アジア開発銀行が2017-2020年の期間に、モンゴル国に12億米ドルの融資を行うことになった。これに関して、またその他の経済問題について、首相経済政策シニア顧問のN.Enkhbayar氏に聞いた。
前年度と比べると、経済は伸びてきている。投資家たちの信頼性が回復している傾向にあるか
―モンゴル経済は過去4年間、低迷傾向にあった。2015年に国際通貨基金とプログラムを決定することに関して協議したが、成功しなかった。昨春、国際通貨基金とプログラムを決定し、実行に至っている。今週、アメリカのワシントンで行われている世界銀行の年次総会の際に、我が国で実行されている国際通貨基金の第1段階のプログラム終了を評価するための交渉に入った。国際通貨基金のワーキングチームが来週からモンゴルに来て、今月下旬にプログラムを評価し、第2段階に進む。これは投資家たちにとってよい知らせになっている。来年に迫っている政府国債の返済に、とても重要な基盤になる。モンゴル国財務省、モンゴル銀行が共同で、国債を返済する業務を続ける。

返済国債の利子は?
―経済状況はさらによくなっているため、昨春出した“Khuraldai”ボンドから低利子で出すように務めている。その時の投資家たちの興味、仲介企業の努力によって、利子を決定する。
アジア開発銀行は2020年までの3年間で、12億米ドルを融資するというニュースがある。どんな理由によって、我が国にこのような融資を与えることになったのだろうか。
―モンゴルが市場経済に移行してから、国際的な金融機関が初めて進出した。最初に進出したのは世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行だ。国際的な金融機関と協力するようになって25年になる。4年ごとに我々は協力事業戦略を明確にしてきた。この中でアジア開発銀行の駐在代理人がU.Khurelsukh首相らと面会し、次の4年間の戦略を話し合った。駐在代理人は会合の際に、過去25年間でモンゴルで合計約20億米ドルのプロジェクト、プログラムを実行していたが、次の4年間で12億米ドルの融資をすることになったことを強調した。経済難を乗り越えようとしているモンゴル国の努力を、国際機関はできるだけ支援している。国際通貨基金のプログラムは1年近く実行して、経済が安定する。将来的にアジア開発銀行、世界銀行が安定的な成長を確保し、経済成長するのにより深い共同事業を実行するために、この決定を出した。

12億米ドルの融資を何に使うか。
―モンゴルは2017-2020年までアジア開発銀行と共同で行う戦略の書類を決め、実行し始めている。次の4年の最大の目的は、経済の安定的な成長だ。例えば経済、社会の安定的な状態を保つために、2億4600万米ドルの10件ほどのプロジェクトを実行し始めている。経済成長を支援し、インフラを発展させるのに、3億2800万米ドルの12件のプロジェクトを実行している。2018―2019年に経済、社会の安定的な状態を満たす分野で約5億米ドル、経済成長を支援し、インフラ発展の分野で約2億9000万米ドルのソフトローン、技術支援を行う。

融資条件、利子については?
―国際機関の融資なので、これまでと同様の免除がある。プロジェクトはそれぞれ認可するので、その時条件を決める。しかし長期ローンのため、大きな免除、低利子である。

この融資は国際通貨基金のプログラムの融資とは別に使うか?
―国際通貨基金のプログラムと別に、アジア開発銀行は独立して自らの資金で融資するプリジェクトプログラムである。経済難を乗り越えるだけでなく、将来的に長期的な経済の安定的な成長、雇用、経済成長、インフラといった中期的問題をより重視して取り組む。

このようなプロジェクト、プログラムを実行することで、経済成長は来年何パーセントになると予想しているか?
―昨年の困難な時期に我々は乗り越え、2017年に3-4パーセントの成長が見られるまでになった。モンゴル経済は国内外の多くの影響を受ける。モンゴル経済はまだ完全なものになっていない。輸出品の90パーセントは未だに原材料である。我々は年間10種類近くの50-60億米ドルの原材料を輸出しているのは、大きな成功である。今年の年末に60億米ドルに達すると期待している。来年この成功が続くかどうかは、国際的な状況による。ワシントンで行われた国際金融機関会議から見ると、世界の経済状況は一般的に成長の傾向にある。隣国2か国の経済は将来性がある。中国経済は低迷の恐れがあると言われても、近年常に6.7-8パーセントの安定的な成長を保つことができている。ロシアにとって国際的な経済制裁があっても、経済成長は将来性があり、困難を乗り越え、成長の道に入っているという知らせがある。隣国経済のよい状態は、我が国によい影響をもたらす。輸出を妨げているインフラの問題から抜け出せれば、来年の経済成長はこれより高く、成長できるチャンスが開けている。