① Oyu Tolgoiの配当を国内へ還元。 配当を国民の貯蓄口座、新規熱電併給発電所、皮革加工、家畜用医薬品・ワクチン工場、2カ所の国境検問所改修などに活用し、具体的な使途はe-Mongoliaを通じた国民投票で決める方針。ただし、配当の金額と時期は現時点で確定していない。政府とRio Tintoは2026年6月、株主融資の金利変更と株主へのキャッシュフロー前倒しに向けて協力することで合意している。
② Erdenes Tavantolgoiを公開会社化。 国民保有の1,072株について相続、贈与、売買を可能とし、他の国有企業株も証券取引所へ上場する方針。2026年にはMongolian Stock ExchangeとBDOとの協力覚書を締結したが、IPO時期や1,072株の実際の取引開始時期は未定となっている。
③ 所得税・法人税・VATを軽減。 給与79万2,000トゥグルグまで個人所得税を非課税とし、国民の手元に8400億トゥグルグを残す。年間売上高25億トゥグルグ以下の企業には1%税率を適用し、VAT登録基準を5000万から4億トゥグルグへ引き上げ、2万3,000社の月次VAT申告を不要とする。また25%の税率区分を15%へ引き下げる。2027年1月1日の実施を予定している。
④ 年金・公務員給与を引き上げ。 2027年1月から年金を平均38万300トゥグルグ増額し、平均133万5,400トゥグルグとする。14万1,000人の年金格差を是正し、2026年11月から高齢者に10万~30万トゥグルグの基礎年金を支給する。就労する学生・若者の社会保険料免除、医師給与20%増、文化・スポーツ・農業・気象・環境保護など公共サービス職員の給与50%増も打ち出した。2027年第1四半期には全公務員給与をインフレに連動して引き上げる計画。財源確保が課題となる。
⑤ 住宅支援を拡大。 1万6,000世帯の住宅取得を支援し、1万4,000世帯に年6%の住宅ローン、2,000世帯に賃貸後取得制度を適用する。国が建設する4,000戸について頭金を30%から15%へ引き下げる。ただし、この変更はまだ制度化されておらず、Mongolbankと建設・住宅省が協議中である。
⑥ 300MWの第6熱電併給発電所を建設。 第3火力発電所に隣接して300MWの第6熱電併給発電所を建設し、長年停滞している第3火力発電所と10県の熱供給施設も稼働させる方針。ただし、第6発電所はまだ決定段階で、資金源、事業主体、建設期間は未確定。
⑦ 学校100校・寄宿舎15棟を整備。 6地域それぞれにケンブリッジ・プログラム採用校2校と専門高校1校を設置し、300人収容の寄宿舎15棟を建設する。10万人の児童・生徒にGoogleのコンピューターを提供し、100校をGoogleラボ校にするとともに、100校をボイラー不要の省エネ型グリーンスクールに転換する。
⑧ 病院34カ所を追加建設。 全国で建設中の39病院に加えて34病院を新設する。高齢者向けに血圧、心血管疾患、糖尿病などの日常的な必須医薬品を優遇医薬品リストに追加し、無料提供する方針。
⑨ 太陽光発電所10カ所・急速充電拠点500カ所を整備。 現在5県で建設中の太陽光発電所に加え、2027年にさらに10カ所を建設する。EV向け急速充電「グリーンステーション」を500カ所、150kmごとに1カ所整備し、太陽光パネル、蓄電設備、再生可能エネルギー関連機器の関税・物品税を免除する計画だ。⑦~⑨は主として2027年度予算での実現を前提とする大型政策となっている。
原文記事は、インフレや歳入不足、歳出削減の必要性がある中で、9項目の多くが減税、年金・給与増額、住宅、病院、学校、エネルギー投資など支出・優遇策を中心としていると指摘。肉価格の上昇や燃料不足への対応、2027年度の歳入確保策、企業・雇用支援について具体策が十分示されていないとして、「実効的な財政政策なのか、それとも国民向けの政治的公約なのか。財源はどこにあるのか」と問題提起している。
情報源:Bloomberg




















