モンゴル政府は「データ法案」を最終決定し、国会に提出する方針を決めた。豊富な再生可能エネルギーと石炭資源、広大な国土、寒冷な気候を生かし、AIを含むグリーンデータセンターへの投資誘致を進める。T. Dorjkhand副首相は、データセンターは実質的に大規模な電力事業で、総コストの最大80%を電力が占めると説明した。

T. Dorjkhand副首相は閣議後、データ法案を最終決定し国会へ提出することを決めたと発表した。これにより、グリーンデータセンターを整備する法的環境を構築できるとしている。

モンゴルは大規模なグリーンエネルギー資源に加え、地下に豊富な石炭資源を有し、資源量では世界200カ国以上の中で上位5位に入ると説明。こうした資源を活用してグリーンデータセンター投資を呼び込み、電力を販売する構想を示した。開催中のCOP17についても、環境保護、土壌汚染、砂漠化対策だけでなく、グリーン経済への投資を呼び込む機会だと位置付けた。国際金融機関や民間投資家にモンゴルの政策とグリーン経済プロジェクトを紹介しているという。

副首相は、データセンターは外見上、国際的なデータをモンゴル国内で保存・転送する施設だが、実態はエネルギープロジェクトであり、総コストの最大80%を電力が占めると説明した。モンゴルの優位性として、広大な国土、豊富なエネルギー資源、安価で安定的かつ信頼性の高い電源を挙げた。

一方、2014年のパリ合意以降、石炭火力への資金供給が難しくなり、石炭ガス化は高コストで資金調達が困難、石炭液化には長期間を要すると指摘。地下にある大量の一般炭を活用する方法として、発電所とデータセンターを隣接して建設し、発電した電力をデータセンターで消費、データを光ファイバーで海外へ販売・輸出する構想を示した。

電力コストについて、副首相は太陽光発電で1GW超を発電する場合のコストを2セントと説明し、中国は6~7セント、韓国は18セント、日本は22~36セント、データセンター投資が最も活発な米国は16~18セントと比較した。また、モンゴルの再生可能エネルギーコストは4~5セント未満で、投資家を引き付ける要因になっているとした。

データセンターは再生可能エネルギーだけで稼働するのではなく、24時間・週7日運転するため石炭火力も必要になると説明。再生可能エネルギーと石炭火力を組み合わせることで、低コストで信頼性の高い電力供給を実現し、データ輸出によって鉱業に劣らない収益を得る可能性があるとした。

また、モンゴルが民主国家であり、外国のデータを第三者が勝手に取得・利用できないよう保護しつつ経済活用する法案を政府が最終決定し、国会へ提出することは、国際社会への大きなシグナルになると強調した。関連して「来週、非常に良いニュースを発表できると期待している」と述べた。

データセンターには、①AIを基盤とするデータセンター、②石炭火力で稼働する暗号資産(クリプト)向けデータセンター、の2種類があると説明。クリプト向けは情報・安全保障上の要件がなく、必ずしもクリーンエネルギーを必要としない一方、AIデータセンターにはクリーンエネルギー利用が求められるとした。豊富な再生可能エネルギーを持つモンゴルはAIデータセンター誘致の可能性を高められるとの見方を示した。

さらに、データセンターの主要コストの一つが冷却設備であることに触れ、モンゴルには寒冷な気候という「天然の冷却装置」があり、他国と比べ冷却コストを40%削減できることも、事業効率上の強みになると説明した。
 

情報源:eagle.mn