世界市場で石炭価格の下落が続くなか、モンゴルは輸出量を最大限まで積み増したものの、歳入は計画水準に届いていない。2025年には過去初めて石炭輸出が8,500万トンに達したが、価格は前年同期比で43%下落し、財政収入を押し下げた。2026年も同様に石炭安が続くとの見方が強く、次の「頼みの綱」として浮上しているのが銅だ。
同国の輸出は、石炭・銅・鉄鉱石という3品目で70~75%を占める。このうち石炭の比重は54%、銅は20%強とされ、2026年は銅輸出が目に見えて増え、価格も上向く可能性があるという。
銅価格は2025年に国際市場で35%上昇し、1トン当たり1万米ドルを超えて過去最高水準を更新した。Ministry of Industry and Mineral Resources of Mongoliaによれば、モンゴルは2025年に銅精鉱の生産を180万トンと見込んでいたが、年末時点で240万トンを輸出した。輸出増の背景には、Oyu Tolgoiの生産が活発化したことがあり、石炭で不足した収入の補完にもつながったとしている。
2026年の予算歳入の中心が「銅」になる可能性もある。理由として、オユ・トルゴイの生産が2026年に前年から2倍規模に拡大し、モンゴルの銅精鉱輸出が最大250万トンに達し得る点が挙げられる。同国の銅輸出の60~70%はオユ・トルゴイ由来で、2026年は地下鉱の本格操業がより安定し、品位(含有率)が上がるとの見通しも示された。
価格面でも強気の見方が目立つ。国際機関などは「銅精鉱価格は1トン当たり1万米ドルを下回りにくい」との見通しを伝えている。一方、モンゴル政府は2026年度予算で、銅精鉱190万トンの生産と、銅の「均衡価格」を1トン当たり8,341米ドルとして計上しており、市場予想との上振れ余地が意識される。
主要金融機関・国際機関の価格見通しは次の通り。
  • J.P. Morgan:2026年平均で1トン当たり約12,075~12,500米ドルまで上昇し得る
  • Goldman Sachs:2026年は1トン当たり1万~1万1,000米ドル前後
  • Deutsche Bank:2026年は約1万600米ドル、後半に1万1,000米ドル超の可能性
  • World Bank:1トン当たり約9,800~1万米ドル
一部のエコノミストは、2026年のモンゴル輸出の4割超が銅精鉱になる可能性があると見ており、歳入面で最も大きな影響を持つ輸出品目になるとの見方が出ている。

情報源:ikon.mn