モンゴル政府は、TT炭田群の一部であるBorteeg石炭鉱床を経済活動に組み込むための準備作業を本格的に開始した。
 これは、モンゴル国会が2025年11月14日に採択した第103号決議に基づく措置。同決議では、「国家富基金法の実施の一環として、TT炭田群の未利用区域を経済循環に取り込み、現世代および将来世代の利益を公平に確保しつつ、鉱床を長期的かつ効率的に活用する政策を政府に求めている。
政府は13日の閣議で、Borteeg石炭鉱床の開発準備および投資家選定を担う作業部会の設置を決定した。今後は、投資家に対する情報提供を透明かつ公開で行い、意見募集、選定プロセスの実施、その結果を政府および国会に報告するなど、段階的な手続きを進める。初期段階として、投資家の関心を把握するための国際公開型の意向表明(Expression of Interest)を、今月9日に公募する方針が示された。

■ Borteeg石炭鉱床の概要

Erdenes Tavan Tolgoi公社が保有する鉱区内に位置し、戦略的重要性を持つTT炭田群の一部を構成する。炭田群には、Tsankhi、Bortolgoi、Onchkharaat、Borteeg などの鉱区が含まれる。同炭田では、2020年に技術・経済的実現可能性調査(Feasibility Study)が実施され、JORC基準に基づく詳細探査も完了。最終的な確定版FSは2026年第1四半期に終了する予定だ。

■ 世界の石炭市場と開発方針

中国のエネルギー構成において電力・再生可能エネルギーの比率が高まり、気候変動政策が強化される中、2030年以降は石炭需要と価格が大きく低下するリスクが指摘されている。このため、各国は今後5年程度の間に、石炭鉱床を段階的かつ迅速に経済循環へ組み込み、輸出機会を最大限活用することで、経済的利益と国家収入を維持する戦略を採っている。

■ Borteeg石炭鉱床の基本原則

政府は、Borteeg石炭鉱床を経済循環に組み込むにあたり、以下の原則を掲げている。
  • 投資家からの意向表明を公開・透明な形で募集
  • 石炭価格は市場原理に基づき決定
  • プロジェクトの利益の大部分をモンゴル側が享受
  • 高付加価値型のインフラ・製品開発を重視
  • 全プロセスを公開かつ透明に実施
政府は、同プロジェクトが本格的に収益を生み始めることで、
  • 国民が享受する自然資源の利益が拡大し、
  • 国家富基金が強化され、
  • 社会・経済および国民生活上の課題解決に向けた財政的余地と政策余力が拡大する
    との見方を示している。
 情報源:News.mn