モンゴル政府は12月31日に閣議を開き、「経済回復を加速し、その成果を国民に還元する300日行動計画」を承認した。

計画では、国民向け行政サービスの連携強化と、事業活動を行う環境の安定確保を目的に、政府が個人および法人に提供する各種行政サービスの料金・手数料について、2026年度予算年度中は引き上げを行わないことを決定した。この方針を、全閣僚、政府機関・庁の長、各種評議会・委員会の長、ならびに地方自治体の首長に指示した。

また、県・首都・郡・区レベルの住民代表会議が定める税率や手数料についても、引き上げを行わないよう勧告し、その履行状況の監督を、J.Enkhbayar首席副首相兼経済開発相に命じた。

閣議決定の内容については、経済開発省の副大臣であるS.Davaasurenが記者会見で説明し、300日行動計画の全体像を公表した。同副大臣は、計画が以下の4つの基本方針の下で、80を超える施策を実行する内容であると強調した。

① 物価上昇圧力のない、安定した所得を持つ国民
燃料、食料、医薬品・医療資材の安定供給と備蓄確保、国内生産の拡大により価格変動を抑制する。
「食料革命」「アタルⅣ」キャンペーンを継続し、国内の食料供給力を高める。
また、ユーラシア経済連合(EAEU)との暫定自由貿易協定の枠組みで、特定品目を関税免除とし、市場供給を拡大する。雇用促進と所得税負担の軽減、付加価値税(VAT)還付制度と任意年金制度の連動により、国民の可処分所得を実質的に増加させる。社会保障から雇用重視への転換を進め、国家富基金を拡充し、各世帯への還元を図る。さらに、土地・都市計画、住宅、教育、医療、水道・下水など基礎サービスの利便性を高め、生活の質を継続的に向上させる。

② ビジネスの自由
政府の市場介入を縮小し、経済の自由化を進める。
戦略分野では一定の監督を維持しつつ、私有財産権の不可侵を保障し、公正な競争を促進する。
差別的措置、不当な資産没収、特権付与を禁止する。外国直接投資の誘致や、外国銀行・金融機関の市場参入を進める。「デジタル・ファースト」政策の下、許認可、届出、監督検査、外国人労働力に関する行政手続きを完全電子化・簡素化する。税制を柔軟で支援型に改め、VAT制度を弾力化し、納税者支援型の税務行政へ移行する。また、グリーンファイナンスの資金源を多様化し、環境配慮型で持続可能な技術・投資を後押しする。

③ 責任ある、創意工夫に富み、効率的な政府
重複または法的根拠を超える約1,000の規制を廃止し、透明で汚職のない行政環境を整備する。
政府系基金を巡る違法行為を排除し、責任を明確化する。戦略鉱床や大規模鉱床からの収益を国民に公正に還元し、国家富基金への収入集中を進める。歳出削減と行政の効率化を目的に、国有企業のガバナンス改善、民営化、情報公開を推進する。さらに、一部行政機能の民間委託、成果重視の予算編成、電子公証・アポスティーユサービスの導入を進める。

④ レジリエント(耐久力のある)経済
鉱業・運輸分野の改革を進め、輸出インフラを強化する。
Oyu Tolgoi鉱山プロジェクトの協議を最終的に決着させ、コストと財務負担を軽減する。Gashuunsukhait~Gantsmod間の越境線および検問所プロジェクトを推進し、物流のボトルネックを解消する。金、ウラン、石炭、鉄鉱石など戦略資源の採掘・加工を拡大し、付加価値型輸出を増加させる。銅・鉄鋼加工を中核とする産業パーク建設に向けた準備を進める。また、農業・エネルギー分野の政策を実効性重視で進め、再生可能エネルギー事業を民間投資で展開し、地域のエネルギー供給力を高めるとした。


情報源:内閣広報室