モンゴル政府は2025年12月15日に開いた臨時閣議で、国有企業18社および事業所の株式を売却し、公開株式会社化する方針を決定した。また、関連法案を国会に提出する。

経済自由法(基本法)を国会提出へ
政府は同日、「経済自由に関する基本法案」および関連法案を審議し、国会に提出することを決めた。
現在、モンゴルでは事業活動や経済規制に関する法律が200本以上存在する一方、国民および法人の事業活動の自由や財産権の不可侵を包括的に保障し、国家の過度な介入を抑制する基本法は存在していない。
また、外国投資を制限・禁止する法律が40本以上あることも課題とされている。
政府は国際的な先例を踏まえ、民間の自由な経済活動を尊重し、官民協議の仕組みを整え、政策決定への多様な参加を確保することが、投資環境やビジネス環境の改善につながると判断した。

このため、政府は以下を策定した。

  • 経済自由に関する基本法案
  • 投資法改正案
  • 関連する9本の法律改正案

基本法案には、

  1. 事業者の経済的自由を保障する原則
  2. 国家が経済自由を確保するための条件
  3. 国家機関および公務員に対する禁止行為
  4. 官民協議メカニズムとしての「経済政策評議会」の法的地位と権限などが盛り込まれている。

付随法案では、特定分野における外国投資の制限・禁止措置の撤廃も盛り込まれた。

国有企業の民営化・再編を加速
政府はまた、2025~2028年に国有企業の株式を証券取引所で一般公開する基本方針を定める国会決議案を承認し、国会に提出する。方針案では、航空、エネルギー、金融、鉱業、保険、商業分野などに属する国有企業・事業所18社について、国有株の10~66%を売却し、公開株式会社化する。さらに、

  • 国有企業8社は全株式を売却
  • 国有企業・事業所7社は統合・再編
  • 追加で国有企業6社の一部株式を公開
  • 国有企業5社は全株式売却を計画している。

これにより、完全な国有企業の数は減少し、公開株式会社は増加する見通しで、国有企業・事業所の総数は19社減(18.8%減)の82社となる。

株式公開対象企業(予定)以下の国有企業について、普通株式を新規発行し一般公開する。

  1. モンゴル通信会社(Mongolian Telecom)

  2. 農業取引所(Agricultural Exchange)

  3. 国立再保険会社

  4. モンゴル証券取引所

  5. 農業公社

  6. Shivee Ovoo炭鉱

  7. Baganuur炭鉱

  8. MIATモンゴル航空

  9. 国立銀行(State Bank)

  10. Erdenes Tavan Tolgoi

  11. Erdenet Mining Corporation

  12. Erdenes Critical Mineral

  13. 第3火力発電所

  14. 第4火力発電所

  15. Erdenet火力発電所

  16. 東部地域電力システム

  17. Darkhan火力発電所

  18. Amgalan火力発電所
     

    情報源:内閣広報室