中国国内の原料炭価格は2026年に1〜3%下落する見通しであると、Bloomberg Intelligenceのアナリストが予測を発表した。

今年は一時的にV字型の急騰を示したものの、2026年は弱含みとなる可能性が高いとしている。分析を示したのはBloomberg IntelligenceのアナリストであるOrtiz Fan氏およびMichelle Leung氏の2名である。両氏は、中国の住宅市場低迷とインフラ投資の鈍化が鉄鋼需要を押し下げ、その結果として原料炭およびコークス価格を抑制する方向に働くと指摘した。

さらに、中国の規制当局が供給過剰や過度な価格競争を抑えるための「反インボリューション」政策を導入したことで、鉄鋼メーカーは必要時のみ原料を購入し、在庫管理をより厳格化しているという。中国経済の成長モデルが建設主導から高付加価値製造業やグリーン技術へ移行していることもあり、鉄鋼需要はピークを越え、減少局面に入ったとみられる。ただし、高品質鋼材などのニッチ分野では需要がむしろ増加すると分析している。鉄鋼の最終需要は2026年に1%減少し、8億7,800万トンになる見通しである。中国の原料炭供給、2026年に4億6,000万トンへ減少か中国国内の原料炭供給量は、2022年から2024年の平均である4億8,500万トンから、2026年には4億6,000万トンに縮小する見込みである。

2024年に過去最高を記録した原料炭輸入量は、2025年通年では約5%減少する見通しであり、鉄鋼業の不振が続けば、2026年も輸入減少が続く可能性が高い。モンゴル・ロシアが中国の主要供給国に豪州は輸送費高騰で失速Bloomberg Intelligenceのアナリストによれば、2026年の中国における原料炭の主要供給国はモンゴルとロシアの2カ国が大きなシェアを占め、オーストラリアを大きく引き離す見通しである。

モンゴルでは鉄道インフラ整備が進展しており、輸送コスト低下が構造的な優位性となる。ロシアについては、中国との地政学的関係の近さが強みになると分析されている。2025年1〜9月時点では、モンゴルとロシアの2カ国で中国の原料炭輸入量の約80%を占めた。一方、オーストラリア産の海上輸送炭は、輸送費の高さと価格変動の大きさから、シェアはわずか6%にとどまった。