モンゴル石炭協会によると、11月は国境通過点での在庫が減少し、中国の大手製鉄所が冬季に備えて原料炭の在庫を積み増す動きを見せている。このため、輸入原料炭の需要はわずかに回復する見通しとなっている。中国では、製造業の高度化とともにエネルギー消費量が増加傾向にあり、電力用石炭(一般炭)の需要も今後上向くとみられる。ただし、中国政府は「グリーン成長」政策の下で温室効果ガス削減と採掘コスト上昇への対応を進めており、2026年には国内炭の生産コストが上昇し、生産量も減少に転じる見通しだ。この結果、輸入電力炭への需要が相対的に増加すると予測されている。したがって、中国側がモンゴルのエネルギー用石炭に課している高い関税6%を、両国政府間の協議によって引き下げる措置が必要である。一方で、中国は最大の石炭輸入先であるインドネシア産電力炭に対して関税を0%としており、これがモンゴル側にとって構造的な劣勢となっている。
情報源:モンゴル石炭協会(Mongolian Coal Association)