アジア開発銀行(ADB)は、モンゴル政府に対し「太陽エネルギーの持続的活用」構想の一環として助言サービスを提供することを決定した。
この構想では、出力115メガワットの太陽光発電所を建設し、65メガワット/237メガワット時の蓄電システムを設置する計画で、モンゴル西部および東部の電力網に接続する。
同事業は、モンゴルにおける大規模な再生可能エネルギー調達プロジェクトの一つであり、初の太陽光および蓄電システムの入札案件となる。電力網の信頼性向上や石炭消費量の削減、輸入電力依存の低減を図るとともに、遠隔地域へのクリーンで手頃な電力供給を目的としている。
ADBモンゴル常駐代表のシャノン・コウリン氏は、「ADBはモンゴルのクリーンエネルギー移行を、革新的な再エネ・蓄電ソリューションを通じて支援できることを喜ばしく思う。この事業はエネルギー安全保障を強化し、再生可能エネルギー利用の拡大を後押しするものであり、今後の太陽光・蓄電分野への投資の基盤を築く」と述べた。
事業では蓄電システムを活用し、ピーク需要時に蓄えた電力を供給することで周波数調整や系統安定化を図る。これにより、より多くの太陽光発電を電力網に統合することが可能になるという。入札は民間投資を呼び込み、モンゴルの再エネ・気候目標を支援するため、透明で競争的な方式で実施される。
この取り組みは、ADBとモンゴル国エネルギー省の協力枠組みの一環であり、「エネルギー政策(2015~2030年)」「新復興政策」など、脱炭素化およびエネルギー安全保障強化を目的とした政府の長期戦略を支援する。
ADBは1966年の設立以来、アジア太平洋地域の包摂的で持続可能、かつ強靭な成長を促進する多国間開発銀行として活動しており、現在加盟69カ国のうち50カ国が同地域に所在する。
 
情報源:News.mn