モンゴルの石炭輸出が2025年9月に過去最高を記録した。モンゴル税関総局の発表によると、今年1〜9月の中国向け輸出量は合計6,200万トンに達し、前年同期比で約2%増加した。特に9月単月では、中国への輸出量が9.3百万トンと過去最大を更新。前年同月比で33%増加し、2015年に統計が公開されて以降、最も多い月間輸出量となった。
- 中国の国内生産減少と価格高騰が追い風に
中国政府が進める過剰生産能力削減策により、同国の石炭生産量はここ数カ月減少傾向にある。これを受けて、中国国内の電力用石炭価格は過去8カ月の最高値に上昇。一方、原料炭の先物価格も7月以降30%以上上昇しているとReutersが報じている。英調査会社Wood Mackenzieのアナリストは、「安価で輸送距離の短いモンゴル産石炭の需要が急増している」と指摘した。
- Gantsmod検問所で価格上昇続く
石炭情報サイトSxcoalによると、モンゴル産石炭の価格は主要国境地点で上昇を続けている。2025年10月17日時点で、Gantsmod検問所でのⅤ級炭価格は1トンあたり1,070人民元となり、中国の国慶節前の水準から44人民元高となった。また、輸送車両の増加により在庫量も増加。10月19日時点でGantsmod検問所の石炭在庫は224万トンに達し、前週比7.4%増となったという。
- 短期的にも堅調な見通し
Sxcoalの市場アナリストは、「中国国内の石炭先物価格が回復し、市場のセンチメントが改善していることから、今後もモンゴル産原料炭の需要は堅調に推移する見込み」と分析している。
- 他国との比較
モンゴルの他、主要な対中輸出国であるインドネシアとオーストラリアも動きを見せている。
インドネシア:政府が批判を受けて価格指標制度を撤廃したことで、輸出量が9月に急回復し、9カ月ぶりの高水準を記録。ただし、年初来では前年比13%減。オーストラリア:9月の中国向け輸出は620万トンで、1〜9月累計では5,510万トン(前年比10%増)となった。
情報源:Bloomberg




















