アジア太平洋地域の政治・安全保障を扱う「The Diplomat」誌は、モンゴルで進行中の政治的混乱とその憲法上の影響について報じた。
モンゴルは再び政権危機の渦中にある。就任間もないG. Zandanshatar首相が議会の決定で解任され、D. Amarbaysgalan国会議長も辞任した。これらは与党モンゴル人民党内の権力闘争の結果であり、政権の不安定化を招いている。
U. Khurelsukh大統領は、首相解任を「憲法違反」として拒否権を行使した。国会は3日以内に対応する必要があるとされている。
この危機の背景には、人民党内部の派閥争いが激化していることがあり、G. Zandanshatar首相とD. Amarbaysgalan元国会議長が党首選で対立したことが発端とされる。両者の解任は、党内分裂の表面化を象徴している。
大統領は「投票の手続きに誤りがあった」と主張している。与党内では、憲法裁判所が国会の決定を違憲と判断すればG. Zandanshatar内閣が発足する可能性があり、逆の場合は彼が暫定首相として続投する見通しだ。現時点でモンゴルは新たな政権交代の準備段階にある。
危機の根底には、汚職と派閥間の利権争いがある。G. Zandanshatarは党首選で敗北した後、法務大臣を更迭し、D. Amarbaysgalan氏を「石炭汚職」に関与したと非難した。
一方、国際機関の報告でもモンゴルの汚職問題は深刻であり、国連人権委員会は汚職対策機関の独立性欠如を批判している。Transparency Internationalの2024年汚職認識指数によると、モンゴルは100点中33点と低迷している。
さらに、Bertelsmann Stiftungの報告では、モンゴルの統治指数は10点中5.83にとどまり、汚職が統治の主要な障害とされている。
長年にわたる汚職と政権不安により、市民の政治不信は深刻化している。モンゴル人民党内の対立が続くほどに行政機能は麻痺し、政府への信頼は低下している。
市民の間では「政治エリートが決める政策から国民は利益を得られない」という諦めの意識が広がり、抗議運動の再燃も懸念されている。
情報源:The Diplomat雑誌

 
     
                 
                             
                            


















