ロシア国内の石油関連インフラが相次ぐ攻撃を受けたことで、同国では燃料不足が発生し、主要燃料の価格が急騰している。過去2か月間で、ウクライナはロシアの15の製油所に対しドローン攻撃を実施しており、その一部が成功した結果、ロシアの石油精製能力は1日当たり500万バレルを下回る水準に低下したと、JPMorganが報告している。これは日量で50万バレル以上の減少に相当する。最近では、レニングラード州のKinef製油所が再びウクライナのドローン攻撃を受け、日量15万バレルの処理能力を持つ主要ラインの操業が停止した。この工場は年間2,000万トンの処理能力を誇り、国内外の市場に燃料を供給している大規模施設である。
インフラ攻撃の影響により、ロシアでは燃料不足が深刻化し、主要なガソリンやディーゼル燃料の価格が今年に入って急上昇した。ロシア政府は、2025年末まで燃料輸出を全面禁止するとともに、ディーゼル燃料の輸出も部分的に禁止する決定を下している。
ロシアから石油製品を安定的に輸入する契約を結んでいるモンゴルは、この輸出制限の対象外ではあるものの、ガソリン不足や価格上昇の懸念が高まっている。現在、特別消費税の免除措置により、AI-92ガソリンの価格は2022年春以降比較的安定しているが、今後は輸入依存リスクに備え、国内備蓄(タンク容量)の強化が必要だと専門家は指摘している。
モンゴルでは2027年にDornogovi県の石油精製所が稼働開始する予定だが、現行の燃料貯蔵タンク容量では対応が困難になる可能性がある。政府は2026年度予算において、石油関連企業が備蓄タンクの拡張に充てるための50億トゥグルグの利子補給付き融資制度を検討中である。エネルギー省によると、現在モンゴル国内で確保できる燃料備蓄はわずか27日分にとどまっている。
情報源:Bloomberg