ADBモンゴル常駐代表のShannon Cowlin氏は次のように述べた。
「世界的に不確実性が高まっているものの、モンゴル経済は引き続き成長を維持しています。
鉱物資源への依存や資源価格の変動に伴う脆弱性を克服し、より幅広く多様化した成長を支援することが、これまで以上に重要になっている。」
 
産業別動向:
  • 農業:好天候により家畜頭数が回復し、2025年前半の安定的成長を支えた。
  • 鉱業:市場環境の悪化で石炭輸出が鈍化し、成長への寄与度が低下。
  • 非鉱業分野:電力、建設などの拡大により成長を牽引。
  • サービス業:2026年には成長の主要ドライバーになる見通し。
一方で、収穫量の減少が予想されており、農業の回復にはマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
 
インフレと物価動向:
 
価格統制の影響で、インフレ率は依然として中央銀行の目標を上回って推移。
消費者物価は2025年に8.6%上昇すると予測されており、これは4月時点の9.1%からやや下方修正された。
政府が公共料金や価格上昇の一部を翌年に先送りしたため、2026年のインフレ率は7.2%程度になると見込まれている。ただし、国内食品や輸入品の価格上昇は続いており、生活コストへの圧力は残ると分析された。
 
今後のリスク要因:
 
ADBは、今後のモンゴル経済に影響を与える可能性があるリスクとして、以下を挙げている。
  • 中国の鉄鋼生産への制限強化による輸出需要のさらなる低下
  • Oyu Tolgoi鉱山での生産遅延
  • 2025~2026年の厳しい冬による農業成長の鈍化
 
まとめ
 
ADB成長率見通し 主な背景
2025年 5.7%(6.6%→下方修正) 石炭輸出減少・歳出削減
2026年 5.7%(5.9%→下方修正) サービス業が主要牽引役に
インフレ率 2025年:8.6%、2026年:7.2% 政府による価格抑制措置
 

情報源:ikon.mn