モンゴル中央銀行は、2025年1~8月に7, 739トンの貴金属を買い取ったと発表した。前年同期比で24.1%減、2020年同期比では52%減少している。金生産の急減について、モンゴル金生産者協会のT.Ganbold理事長が下記のとおり説明した。
 
主な要因
 
  • 砂鉱床資源の枯渇:近年まで年間20トン前後を維持してきた金供給の多くは、社会主義時代に発見された砂鉱床によるものだった。しかし、それらの鉱床がほぼ採掘し尽くされ、供給は急減した。
  • 地質探査不足:近年、新規探査への投資が減少し、基盤鉱床の開発は限定的にとどまっている。
  • 環境規制と制限:河川、森林、国境周辺での採掘が法規制により制限され、操業範囲も狭まっている。
 
T.Ganbbold氏の見解
 
「供給減は企業や住民が金を闇に流しているからではなく、単に探査・開発が不足しているためだ」と強調。コロナ禍でも20トン以上の供給実績があり、「密輸で利益を得る余地はない」と指摘した。また、金融・鉱業政策に加え、地方住民の理解や制度的な明確化が欠けていることが、産業停滞の背景にあると述べた。
 
政策的課題
 
モンゴル経済が鉱業に大きく依存している点を指摘し、「もし採掘を否定するなら憲法で禁止すべき。そうでないなら、法令を徹底し、透明な形で鉱業を推進する必要がある」と語った。さらに、地方社会の不満や反対の根底には高い腐敗レベルと国家財政の不透明な運用があると批判した。

情報源:Udriin Sonin日刊紙