モンゴル・ロシア両国の経済・貿易・鉱業協力事業について、I.K.Azizov在モンゴルロシア特命全権大使にインタビューを行った。
「ロシアは原子力エネルギー分野で協力する意向」
―在モンゴル大使として任命されて5年目になった。両国の経済・貿易の協力事業の現在の状況をどのように見ているか?
―2015~2016年の貿易額は10億米ドル以下だった。しかし2017年には13億6800万米ドルに達した。これは前年比46.9%の増加だ。ロシアからモンゴルへの輸出が48.1%、モンゴルからロシアへの輸出が15%増加した。
―ロシア・モンゴルの政府間委員会第21回会合で話された問題は、どんな結論に至ったか?
―貿易額の高い成長を支持し、持続するために不可欠な事柄を話し合った。モンゴル側はロシアへの輸出を増加させる意向を示した。また、農業分野での協力事業について話し合った。
―第21会合でEg川の問題が取り上げられた。ロシア側はどんな立場か?
―第20回会合で両国の専門家が参加した合同ワーキングチームの設立を決定した。ワーキングチームはバイカル湖の主な支流であるSelenge川の水が貯まる場所に、水力技術設備を建設する問題を調査する義務がある。両国の利益の他に、ユネスコの環境遺産保護に関係する重要な問題なので、責任あるものだ。研究者たちが建設は自然に悪影響だと結論付ければ、エネルギー源の別のチャンスを調査するように、モンゴル側に第21回会合の際に通知した。モンゴルには国内にエネルギー生産の巨大な埋蔵があると見ている。
―どんなチャンスがあるか?
―火力発電所、再生可能エネルギー源の他に、現在モンゴル社会にまだよく知られていないが、しばらくして重要な意義を持つものになるチャンスは、原子力エネルギーだ。第21回会合の際にロシアの国有”Rosatom”コーポレーション、モンゴルの”Mon-Atom”社が共同で、モンゴル国に原子力科学技術センターを建設する覚書に署名した。このセンターの目的は原子力技術を製薬、農業などの分野でどの程度利用・普及できるかを研究することだ。
―第21回会合でソフトローンの問題が話し合われた。ロシアからの1千億ルーブルのソフトローンを与える協定は有効か?
―ソフトローンをモンゴルの鉄道インフラ、ウランバートル市の火力発電所修理に使用する。モンゴルはロシア政府からソフトローンで1千億ルーブルを受ける希望があるため、現在両国の財務省がこの問題を共同調査している。
 
「モンゴル西部鉄道で運輸する意向がロシア・中国にある」
―ソフトローンを使う案件のひとつがウランバートル鉄道の鉄道インフラ整備だ。ウランバートル鉄道公社を発展させるロシア側の計画は?
―ウランバートル鉄道改革事業を2018年に開始させることで、モンゴル・ロシア両者は一致している。改革を行わなければ、2019年から輸送稼働力が完全にできない恐れがあるからだ。ロシア・モンゴルの鉄道専門家が共同でウランバートル鉄道のインフラを新規整備し、機関車、組織、貨物力を増加させる初期段階の作業を明確に計画し、次々の段階の計画を作成し、調整する必要がある。改革を行うことでウランバートル鉄道の普及力が短期間で年間3400万トンに達すると見込んでいる。
―モンゴルの石炭、製品を極東の港へトランジット輸送するのにロシア側から鉄道トランジット輸送のどんな減免ができるか?
―鉄道トランジット輸送の減免条件について、ロシア・モンゴル政府間で締結する協定の文書案が作成された。減免額でモンゴルの石炭会社は製品を鉱山から直接、あるいはウランバートル鉄道の駅から輸送しロシアの海港から輸出すれば、経済利益を受けられる。
―”Erdenet-Ovoot”鉄道が”Kizil-Kuragino”方面の鉄道と結びつくことで、Elegest石炭鉱床に達し、ロシアの石炭をモンゴル領土を通過して中国市場へ輸出することができる。ロシアはこれをどう見ているか?
―”Erdenet-Ovoot”方面の鉄道が操業開始されてから、初期段階で1千万トンの負担がウランバートル鉄道に増加される。ロシア・中国を結ぶ鉄道の中央回路になるウランバートル鉄道のインフラ改革を早急に開始させる必要があると再度強調したい。”Erdenet-Ovoot”鉄道プロジェクトが成功裏に実行されれば、経済的意義からモンゴル西部方面の鉄道で輸送する希望がロシア、中国のどちらにもある。
 
「製油所の製品価格は輸入石油価格より高くなる恐れがある
―石油分野で両国の協力事業はどの程度進んでいるか?
―モンゴルは石油製品の全消費の90%をロシアから輸入している。ロシア側の主要な供給者国有”Rosnefti”社が73~76%を満たしている。”Rosnefti”社は2015年に当時のモンゴル政府と締結した契約に基づき、現在まで製品を供給している。ロシアの”Rosnefti”社にはモンゴル国国境から遠くない場所に、大きな石油工場が2つある。製品をモンゴル市場に供給する輸送ロジステックは完全に満たされた。
―モンゴル政府は製油所建設を決定した。モンゴルの石油製品の主要な供給者であるロシア側の立場は?
―モンゴルからの情報では、2021年に操業開始予定のこの工場の製品価格は、輸入石油製品価格より高くなる恐れがある。この場合、モンゴルは国内市場を外国の供給者から閉めざるを得なくなる。モンゴルは製油所建設案を事前に詳細に調査し、すべての条件を多面的によく計算する必要がある。
情報元:mongolianminingjournal