モンゴルの主要原料炭輸出業者の一つであるMongolian Mining Corporationは、今年記録的な利益と売上高を報告する可能性がある。
 Bloomberg Intelligence のAndrew Chanクレジットアナリストによる、この好調な市場と活動時期におけるMongolian Mining Corporationの次のステップに関する分析から、ハイライトをいくつか紹介する。
  • 新たな社債が発行される可能性がある:原料炭価格が安定すると仮定すると、Mongolian Mining Coporationは2026年に満期を迎える2億2,600万ドルの社債を全額返済するのに、十分な現金を蓄積すると予想される。ただ、社債の期待収益率は7%程度にとどまっており、新規社債の発行や借り換えの可能性が高いとみている。さらに、子会社Khangad Explorationの20%が中国のJiayou International Logisticsに売却され、8,880万ドルを受け取ったほか、この取引により2024年から2034年までの石炭販売額から25億ドルも受け取る可能性ある。これは、長期的に同社の流動性に良い影響を与えると考えられている。市場の見通しを見ると、中国の不動産セクターの回復は遅いものの、2025年には政府の景気循環支援策により鉄鋼需要が改善する可能性がある。その結果、中国の鉄鋼メーカーはオーストラリア産石炭よりも安いモンゴル産原料炭の購入を増やすだろう。Mongolian Mining Corporationについては、Jiayou International Logisticsと長期販売契約を結んでいるほか、Baotou Iron & Steel とChina Shenhuaなどの中国大手国営企業とも取引があり、今後も石炭販売量は増加する見込みである。
  • 金で多様化する:Mongolian Minig Corpotationが投資し50%を所有するErdene Mongolianは、2025年第2四半期に最初の金を採掘する予定だ。上記の分析で、Mongolian Mining Corporationの事業を多角化し、収益を増加させることで評価者の注目を集めるだろうと指摘したが、それには長い時間がかかるだろう。現在の為替レートで、Bloomberg Intelligenceは、金採掘により同社にさらに1億5,000万ドルの収益がもたらされると見積もっているが、それはMongolian Mining Corporationの売上の20%にも満たない。したがって、現在 B3/B+ レベルにあるMongolian Mining Corporationの信用格付けを改善するには不十分であると考えられる。
 
情報源:Bloomberg