原子炉の原料源を多様化する目的で、フランスがモンゴルと締結するために協議している16億ドルのウラン案件の投資契約が政治の妨害に直面している。
 国家戦略的埋蔵保護に関連する闘争により、モンゴル政府とフランスのOrano Groupとの間で締結する投資契約を最終化する作業がこの6月に行われる、選挙後まで延期されるリスクがあると2つの情報源が発表している。また、モンゴル側から契約を担当していた主要な役職者が交代したことが話し合いのプロセスに影響した可能性もある。
 昨年10月にモンゴルのU.Khurelsukh大統領がフランス公式訪問をおこない、フランスのEmmanuel Makron大統領との会談の際に、モンゴル政府とフランスのOrano Groupとの間で締結する投資契約案を作成するワーキングチームの協議議事録に双方が署名した。これにより契約を2023年内に最終化し、Zuuvch-Ovoo鉱床の生産を2028年に開始させる期待が生まれた。
 契約締結作業を延期することに関連する問題で、モンゴル政府代表はBloomberg Newsにまだ説明をしていない。しかし、Orano Groupは「契約は継続していて、モンゴル政府が契約を可能な最短期間で最終化することを望んでいる」と発表した。
 モンゴルにおけるウラン案件が長期間延ばされている、もしくは上手くいかないのは世界的にウランの需要が高まっているこの時期に原料源の多様化を目指しているOrano Groupにショックとなる。同社はカナダやカザフスタンでウラン採掘をおこなっていて、ニジェールにおける事業が昨年発生した軍事クーデターにより途切れ、昨年発生した供給のその他の問題によりウランのスポットレートが15年間の最高値に至った。

情報源:Bloomberg