モンゴルの経済回復は短期的なものになる可能性がある。モンゴルの対外貿易は2023年以降強化され、一次産品の輸出も回復し、外部環境リスクの安定化に貢献しているものの、予算と輸出の好調な実績は一時的なものかもしれない。今後数年間で海外資金調達の脆弱性が高まり、国際収支や財政赤字につながる可能性があると考えている。また、対外債務の増加が悪影響を与える可能性が高い。また、今年1~9月の間に、モンゴル政府の予想を上回る4900万トンの石炭が輸出されたり、一次産品輸出の好調はモンゴルの国内総生産に対する債務の比率などのローン指標に短期的にプラスの影響を与えた。モンゴル政府の支出は今年第4四半期に依然として急増する見通しで、海外資金調達のリスクが再び高まる可能性がある。また、2024~2027年にモンゴルの対外債務返済に費やされる金額は年平均9億7,500万ドルとなり、比較的大きな負担となる。モンゴル政府の負債総額の90%以上は対外債務であり、民間部門の負債総額は2023年第2四半期時点で国内総生産180%に相当している。一般に、モンゴルの外部資金調達環境は、原材料の需要減少のリスクに加え、起こり得る経済的「ショック」に対して脆弱である。

情報源:Bloomberg