IMFモンゴル責任者のAngana Banerji氏率いるワーキンググループがモンゴルを訪問し、大統領、国会議長、首相、財務大臣、モンゴル銀行総裁などの政策立案者と会談し、経済状況を評価し、アドバイスした。 IMFモンゴル責任者であるAngana Banerji氏は、モンゴルで調査結果、提案についてメディアへ説明した。概要は以下のとおり。
 
2023年はモンゴルにとって楽な年ではない
IMFはモンゴルの経済成長を1年前に7.0%と予測していたが、経済への実際のリスクを考慮し予測を1.0%に引き下げた。モンゴルでコロナウイルスの感染が減少し、国境検問所の状況が改善されているという良いニュースがある。しかし、主要な買い手である中国のコロナウイルスと闘う厳しい政策とロシアとウクライナの戦争の影響は今年も続き、経済成長を鈍化させると予想されている。来年、外的状況が比較的改善すれば、モンゴルの経済が回復するだろう。しかし、2023年はモンゴルにとって楽な年にならない。要因は、高額の債務返済が予定されているためだ。
社会保障制度は貧困層を対象にすべき
インフレ率は世界中で高まっており、モンゴルはインフレ率が最も高い国の1つだ。 国際的な経験によれば、インフレの上昇は貧困層に最悪の影響を及ぼす。 政府は国民全体を支援する政策を推進している。 ただし、これは現在の状況ではあまり効果的ではない。
政府の資金と支援は、国内市場で商品の需要を引き起こしている。 一方、検問所が制限されており、輸入は通常ではない状況が続いている。 しかし、政府が全国民を支援しているため、商品が不足しインフレが上昇している。そのため、政策立案者との会談で社会保障制度は貧困層を対象にするようアドバイスした。
数件の家、数台の車を持っている富裕層を支援する必要はない。富裕層へ提供される政府からの支援は、外国へ流される可能性が高い。従って米ドルの為替レートが上昇し、MNTレートがより落ちるリスクがある。インフレ上昇を防ぐため、政府からの支援を対象層のみへ提供するようアドバイスする。
モンゴルはIMFのプログラムを受けるか?
モンゴル政府は、IMFのプログラムをリクエストしていない。 確かにモンゴルの対外債務は高くなった。 しかし、最悪な状況に達していない。 来年の債務返済には、早急に特定の政策措置を講じる必要がある。 そんな余裕があるとみなしている。
2023年に13億$の対外債務を返済する予定。この債務の一部を返済し、一部は借り換えが可能である。 モンゴル経済が今年、7%の予測とおり成長したら、来年は債券債務を完済できるはず。 しかし、戦争などにより成長が鈍化するため、財政・財政政策を強化し、適切なガバナンスを実施する必要がある。
 
どうして商業銀行のIPOを後回しすべきか?
IMFからモンゴル中銀に商業銀行のIPOを後回しするようアドバイスした。重要なことは、IPOする商業銀行のバランスが良くて何かの問題がないことだ。モンゴル中銀と金融規制委員会は、法律で定められた期間内に急いでIPOを実施させた場合、状況を適切に監視することができない。 商業銀行の株を買う市民は、きちんとチェックしないと金を失うリスクがある。
大手銀行らはIPOのタイミングを慎重に検討し、最適なタイミングを合わせる必要がある。 過去2年間、パンデミックのため商業銀行へのローン返済を緩和化した。また、融資を受けた企業の多くは困難に直面したために、返済が鈍化した。
さらに、モンゴル経済が正常な状態にないときにIPOすることは適切ではない。したがって、経済状況が安定して正常に戻った後のIPOは、株式を購入する人々にとって有益だ。 IPOの主な目標は、1株あたりの価値を最大にすることだ。 IPOの主な目的は、スケジュール通りに株式を発行することではない。モンゴル中銀は、過去2年間、商業銀行を直接検査していない。したがって、商業銀行はAQR及び資産評価を実行することがよいとアドバイスした。原則として、良い銀行は良いIPOを発行すべき。
 
情報源:itoim.mn