モンゴルの見どころ
1.テレルジ国立公園
テレルジ国立公園は,ウランバートルから車で約2時間弱東にいったところにあるモンゴルの人気リゾートスポットである.亀石をはじめ,夕暮れ時に見ると横たわるお姫様の影が浮き出るという山,5本指のような岩,いつ転げ落ちてくるのか心配になる卵石,お経を読んでいるお坊さん(晩酌する男ともいわれる)など,面白い形をした奇岩めぐりや豊かな森林に咲き乱れる高山植物などが見どころだ.宿泊施設としては,外国人の旅行者向けの宿泊施設が多くあると共に5星のホテルもある.旅行者用の乗用馬,ラクダ等を乗ったり,自然を楽しめる

 

2.南モンゴル(ゴビ)
ゴビは,モンゴル語で“短い草がまばらに生えている土地”という意味を持つ珍しい動植物も多く,東西2,500km,南北500km以上にも及ぶ広大な範囲に山,砂丘,森林,泉,大草原,砂漠という景観が広がる.

  • ホンゴル砂丘
ホンゴル砂丘は南ゴビの中でもっとも砂漠らしい景色の場所.しかし,そのホンゴル砂丘の麓の一角にはわき水があふれオアシスとなっている所だ.東西約150km 南北約5kmに渡り広がっているモンゴルで最大な砂丘で,これぞ砂漠という景色.
 
 
  • ヨリーンアム渓谷
南ゴビ県のダランザダガド市から南60km離れたところにゴビゴルバン サイハン山国立公園が位置する.同公園のもっと目美しい見どころは“ヨリーンアム” 渓谷で高さは2200mであり初夏でもこの当たりに雪,氷が残っている.冬と夏を同時に実感できる美しい大自然.ヨリーンアム渓谷のゲートにゴビ自然史博物館もあり,お楽しみいただける.

  • バヤンザグ
モンゴル南部,ゴビ砂漠の一地域.ウムヌゴビ県の県都ダランザドガドの北西約90キロメートルに位置する.1920年代,米国の古生物学者ロイ=チャップマン=アンドリュース率いる調査隊が「燃え立つ崖」と呼ばれる断崖で,恐竜の卵や大量の化石を世界で初めて発見したことで古生物学の発掘で有名な場所ともなっている.この場所が赤い岩石に覆われているために,日没時の色がこの崖が赤い色を染め出して,あたかも燃え上がるように見えるため“Flamming Hills”と言われる.


 
北モンゴル
フブスグル湖は「モンゴルの青い真珠」とも呼ばれ,淡水湖としてモンゴル一の水深262メートルに達し,30メートルの深さの魚すら認める事が出来るという透明度を誇っている.モンゴル最北端の海抜1645メートルの高地に位置し,南北136キロメートル,東西36キロメートルと言う日本の琵琶湖の4倍の面積に達します.気候的にも大変に厳しい環境で,1月から5月頃までは水面は凍りつくが,90もの河川の流れを擁して,それらの水流はフブスグル湖の南端箇所から再び流れ出て,セレンゲ川に合流し,ロシアのバイカル湖に達しています.また全水量は,モンゴル国の淡水の70パーセントを占め,全世界から見ると0.4パーセントを湛えている.カワヒメマス属,コレゴヌス属のホワイトフィッシュ,ぺルカ属のパーチ,またカワメンタイやレノックスなど,釣り人に人気の魚類が豊富に棲息している.湖の周囲は,全て唐松や他の豊富な樹木の繁茂する山々に囲まれ,雄大な眺めが楽しめる.



西モンゴル
  • アルタイ・タワン・ボグド国立公園
アルタイ・タワン・ボグド(アルタイ5大山)国立公園の面積は約630,000m²で,モンゴルの最大の国立公園だ.アルタイ山脈の最高峰であるフイテンの峰(4374m),ナイラムダルの峰(4192m), ブルゲドの峰(4068m),マルチンの峰(4051m),ウルギーの峰(4050m)の万年雪の5大山が聳えている上で,ホルガン,ホトンやダヤン湖などの風光明媚な湖があります.フイテンの峰のふもとはポターニン氷河に覆われています.国立公園にシベリアアイベックス,マラル鹿,ヘラジカなどの希少種の野生動物が生息していえう.これ以外に,公園内に数多く遺跡,鹿石,壁画や突厥(とっけつ)時代の石人等がある.「モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群」は世界文化遺産に登録.また,鷲狩りをやっているカザフ族の得々な文化をも実感できる.


 
 モンゴルの世界遺産
1.オルホン渓谷(オルホンけいこく)
オルホン渓谷(オルホンけいこく)はモンゴル中央部のオルホン川両岸に広がっている渓谷.首都ウランバートルの西方約360 kmに在る.その渓谷の文化的景観は,2000年以上に渡って培われてきた遊牧民の伝統を例証するものとして,ユネスコの世界遺産に登録された.
 
オルホン渓谷の主要なモニュメントは以下の通り.
  • エルデネ・ゾー僧院
  • チンギス・カンの首都カラコルムの遺跡
  • オルホン碑文
  • カル・バルガス遺跡 (Ruins of Khar Balgas)等。。。
 

2.モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群(モンゴル・アルタイさんみゃくのいわえぐん)
モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群は,その登録名が示すように,モンゴル・アルタイ山脈の3箇所の岩絵遺跡群が対象となっている.それらは紀元前11000年ごろから西暦9世紀ごろまで,およそ12000年にわたって描かれており,それぞれの時期における北アジアの生活様式や周辺環境の様子を伝える岩刻画が数多く残されていることが評価された. UNESCOの世界遺産リストに登録されたモンゴルの文化遺産は,オルホン渓谷の文化的景観に続いて,これが2件目である.登録対象は以下のとおり.
  • ツァガーン・サラー=バガ・オイゴル
  • 上ツァガーン・ゴル
  • アラル・トルゴイ
モンゴル・アルタイ山脈にある以上の3遺跡で,いずれもバヤン・ウルギー県にある.首都ウランバートルから西方におよそ1700 kmに位置し,それぞれの遺跡は35 - 40 km 程度離れている.中・ロの国境に近い場所でもあり,軍の管理下に置かれている地域も含まれている.3つの遺跡をすべてあわせると,その岩絵は数千点にのぼる.更新世末期の岩絵に登場するのはマンモス,オーロックス,ヘラジカ,ダチョウなどの大型動物である.完新世に入ると,獲物の動物を描くだけでなく,狩人の姿も描かれるようになる.描かれる動物の違いなどから更新世から青銅器時代初期にかけての気候変動の様子も読み取ることができ,青銅器時代にはさまざまな道具を使った狩猟の様子だけでなく,動物を使って荷車を牽かせる様子なども描かれている.青銅器時代後期から鉄器時代にかけてと見られる時期の岩絵に描かれているのは,馬を使った遊牧生活の様子であり,描画の技術も向上している.7世紀から9世紀のテュルク系民族の時期のものは,武装した騎馬像などが描かれている.



3.ボルハン・ハルドン
ボルハン・ハルドン山はモンゴル国ヘンティー県にあるヘンティー山脈の山。モンゴル族発祥の聖地であり,チンギス・カンの故郷にして墓所であるといわれ,神聖視される.ブルカン・カルドゥンとは、おおよそ「神の山/丘」を意味する.山ブルカン・カルドゥンとその周辺の神聖な景観は2015年ドイツのボンで開催された第39回世界遺産委員会において新規登録が認められたモンゴルの世界文化遺産である.『元朝秘史』冒頭の伝説によると,チンギス・カンの先祖でモンゴル族の遠祖であるボルテ・チノとその妻コアイ・マラルが大湖(tenggis)を渡ってやって来た時,オノン川の源のこのブルカン・カルドゥンに住まいしたという.また,のちのチンギス・カンことテムジンが少年時代に父イェスゲイを亡くした時,テムジン一家が身を寄せて住まいしていたのがブルカン・カルドゥンの麓だったと言う.当時対立していたメルキト族の兵たちに追われた折に,テムジンはブルカン山中を方々に逃げて追手をくらまし,ついに逃げおおせてこれに感謝したテムジンは「朝ごと祭り,日ごとに祈」るように誓ったと言う.これらのことからチンギス・カンの一族はこの山麓に起居する氏族だったと思われる



4.ウヴス・ヌール盆地
ウヴス・ヌール盆地はモンゴルとロシアにまたがる世界遺産で,モンゴルでは最大の湖である.1993年にロシアが8つの自然保護区を設定し,2003年にはモンゴルがテス川周辺をはじめとする4つの保護区を設定した結果,これら12の保護区が世界遺産に登録された.ウヴス・ヌール盆地にあるウヴス湖は塩分が濃くて浅く,かつて数千年前にこの一帯にも海が広がっていたときの名残だ.ウヴス・ヌールはユーラシア大陸において,自然のままのステップが良好に保存されている地域で,同時に,世界で最も北にある砂漠と,世界で最も南にあるツンドラが並存する場所にもなっている.盆地はシベリアと中央アジアにとって気候上も地理上も境界になっていることから,気温は夏は47度,冬は−58度と,非常に極端で,絶滅危惧種のユキヒョウ,アルガリ,アジア種のアイベックスなど41種の哺乳類や,173種の鳥類が棲息している.ほかに4万点に及ぶスキタイやテュルクの遺跡が発見されているが,自然遺産としての登録だ.